契約書を作成するメリット


契約書は、法の世界の航路図です。安全な航海のために、契約書を作成しましょう。


契約書を作成するメリット


 契約に当たり契約書を作成することにより、次のようなメリットを得ることができます。

  • 紛争の予防当事者の権利義務を明確にすることにより、紛争を予防します。

  • 取引の円滑化文書で契約をすることで、当事者の共通理解を作り出します。

  • 交渉のイニシアティブ自前の契約書を用意することにより、優位に交渉できます。

  • 権利の設定当事者間での報告義務や守秘義務など、各種の権利を創設できます。

  • 証拠化紛争が発生した場合に合意内容を契約書により証明することができます。

  • 債務名義化執行文の付与を受けた場合、契約書による強制執行ができます。


紛争の予防


 契約書は当事者間の権利や義務について記載する文書であり、かつそれに尽きています。そのため必ずしも取引の全体像や細部まで明らかになるような書類であるとは限りません。仕様書や説明書、計画書のような別の書類により、取引の枠組みやその細部が決定されている場合もあります。それにも関わらず契約書こそが取引の基本であるとされているのは、こうした権利義務が、当事者間の役割分担を決定することになるためです。


 相手方に対してどのような要求をすることができるのか、そして相手方からの要求にどれぐらい応じる必要があるのかは、契約書を基準にして決定されます。そのため契約書としてあらかじめ合意しておくことにより、言いがかりや無理難題を押し付けられるようなことがなくなり、紛争を予防することにつながります。


取引の円滑化


契約書を締結することにより、コミュニケーションエラーやお互いの思い違いを防ぐことができ、その後の取引を円滑にすることに役立ちます。例えば製品の開発委託契約を締結するような場合には、開発目標や開発期間について合意し、技術上のノウハウなどの秘密情報の取り扱いについて定め、責任者や問い合わせ先も特定します。こうした合意があることにより、安心して技術情報を提供したり、開発後の計画を進めたりすることができます。


 このような合意をする過程で、営業部門や開発部門それに経理部門など様々なステークホルダーが関与することにより、その取引への共通理解が生み出されることも、その後の協力をスムーズにします。


交渉のイニシアティブ


 契約を締結する場合に、契約書は当事者のどちらかがその案を提示することになります。それに対してもう片方の当事者が修正を依頼し、その修正依頼に対して再修正を依頼するというような形で契約交渉が進みます。図式的には、契約書を提示した側に有利に天秤が傾いている契約書を、交渉によりイーブンに直していくイメージです。


 そのため契約書の案をはじめに提示することができれば、それによって交渉のイニシアティブを握ることが容易になります。契約書の提示を受けた相手方は、まずは受け身でその内容を精査することになるためです。また自前の契約書を用意することにより、相手方に対して信頼性を高める効果も期待できるでしょう。


権利の設定


 民法は意思主義を採用しているため、意思表示のみで契約は有効に成立します。そのため口頭で「売った」「買った」と言ったとしても、内容が特定されていれば、法律行為として欠けるところはありません。しかし一方で、こうした口頭の取引により取り決められる内容には限りがあります。人間は一度に多くのことを記憶することができないため、細目的な事項や特別な合意を取り込みたい場合には、やはり契約書として文書にしておかなければなりません。


 契約書にすることにより、例えば「委託者は受託者に対して、その業務の状況について、一か月毎に書面で報告を求めることができる」というように報告を求める権利を規定したり「別表1に定める者は、相手方から受領した秘密情報の開示を受けることができる」というように別表を活用するなどして多数の関係者の権利義務について明確に定めることも可能となります。


証拠化


 古代ローマの時代から、人々は契約書に契約の内容を書き記してきました。「言質を取る」という表現がありますが、文書に書き記された言葉に対して、人々は古くから特別な価値を見出してきたと言えます。現代では裁判制度が整備されたことにより、契約の内容は、司法権によってその実現が担保されています。


 当事者間のトラブルが法的紛争に発展して裁判所に訴えがなされると、口頭弁論を経て判決が下され、最終的には強制執行制度が控えているのです。こうした現代の裁判制度においても、民事訴訟法上、当事者が記名押印した文書はその内容が真実であるとみなされると規定されています。このように契約書には高い証拠価値が認められているため、契約書を作成することにより証拠を固めることができます。


債務名義化


 相手方が契約の内容を履行してくれない場合、原則としては裁判所に訴えをして判決を出してもらわなければ、強制執行をすることはできません。そして裁判には時間がかかり弁護士費用や手数料などの費用が掛かります。


 しかしあらかじめ公証人から執行分の付与を受けた場合には、契約の不履行があれば、直ちに契約書を根拠に強制執行をすることができます。このように強制執行の根拠となる文書のことを「債務名義」と言います。契約書を作成することにより、その契約書の債務名義化も視野に入れることができます。


メル行政書士事務所にできること


 当事務所では、契約書に関して、以下のサービスを提供しています。契約書についてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

  1. 契約書・定型約款の作成

  2. 契約書・定型約款のチェック

  3. 英文契約書の作成・翻訳

  4. 定型約款の届出

  5. 契約書・定型約款に関する法律相談